鞍馬は初めてかぐやに出会ったときのように


鋭いまっすぐな視線をかぐやに向けた。


このまま見つめ合えば


鞍馬に飲み込まれそうで、


かぐやは慌てて視線を反らせた。


「ごめん、何もしないとか言いながら誘惑しかけちゃったね」


「私そろそろ銀司を探しに行かないと」


「そうだったね。一緒に探してあげたいけれど、そうすれば彼をもっと怒らせてしまうだろうからごめんね」


「いえ、大丈夫」


立ち上がりこの場を去ろうとするかぐやの指先を鞍馬が掴んだ。


「かぐやちゃん、君たちのおかげで自分の使命を果たせるかも知れないありがとう」


鞍馬が穏やかな顔で言った。


「何やってるんだ!性懲りもなくおまえはっ」


タイミング悪く銀司が現れた。


「彼女には明日からよろしくと伝えていただけだよ。それじゃあ、僕は先に休ませてもらうよ」


鞍馬はサッと空中に飛んで去っていった。


「逃げ足の速い野郎だ。かぐや、あいつの傍に寄ったら危険だろ」


「銀を探しに来たの、そうしたらここに鞍馬がいて」


「俺を探してたのか?!」


「うん」


二人は東屋の椅子に並んで腰を下ろした。