かぐやの月

外へ出るとだいぶ丸くなってきた月が煌々と空に輝いていた。


星もたくさん出ている。


昼間は連れてこられたりと慌ただしく何も口にしていなかったが


夜は山菜の入った美味しいご飯をいっぱい食べさせてもらった。


明日のことを考えなければ幸福な夢を見られそうなのに。


見知らぬ土地で銀司がどこへ行ったのか見当もつかないが


建物に囲まれている立派な中庭の庭園にかぐやは足を向けた。


山から流れてくる小川のたてる涼しげな音は心を緩ませる。


東屋までくると先客が座っていた。


「かぐやちゃん」


馴れ馴れしく『ちゃん』付けで呼ばれてハッとしたが


昼間とは別人のように柔らかい物腰の鞍馬がそこにいた。


「むさ苦しい男たちと相部屋になって眠れそうにないかい?」


鞍馬がからかう。


「里守だったから、任務の時はいつも雑魚寝。布団と屋根があるだけで充分すぎる」


「そんな所に立っていないでここへおいで」


鞍馬は自分の隣へ来るように手招きした。


「もう何もしないから、警戒しなくてもいい。約束する」


かぐやはやっと鞍馬の隣へ腰を下ろした。


銀司や白虎とは違い、黒髪の襟足が長く薄い唇をしており


鞍馬からは大人の色香が漂っているが


本人が言ったとおり


かぐやには一切触れず