かぐやの月

「お前のだと?嘘だろう、かぐやは趣味が悪いな」


「余計なお世話だっつうの!女の意思も無視して押し倒すような奴に言われたくねぇんだよ」


銀司は自分を押さえつけていた黒鳥人数人を振り払って鞍馬へ大剣を引き抜いて刃の切っ先を向けた。


「銀、あんたたちが来てくれたから私は大丈夫だった。だからひとまず落ち着いて」


鞍馬にされたことは許しがたいが、


彼に大剣を突きつけている銀司とは対照的に鞍馬からは全く繊維が感じられない。


心底がっかりしたと言うような諦めの表情をしている。


「大丈夫なわけないだろ!俺以外の男がおまえに触れたんだ」


「銀お願い、やめて」


かぐやが銀司の大剣を握る手を握った。


「銀司」


白虎も銀司を制するような声で名を呼んだ。


銀司は少し迷ってからかぐやの手を握り返すと大剣の切っ先を下へ向けた。


銀司の様子を見て蔵馬も取り囲んでいた部下を後ろへと下がらせた。


自分は玉座に座り酒を一口含んだ。


「ことを急ぎすぎたことは謝る。だが俺には時間がない、優秀な子孫を残し後を継がせるためにかぐやは必要だ。銀司とやら俺とかぐやをかけ改めて勝負しないか」


「まだ懲りねぇのか、望むところだ。殺されてもおまえの部下に文句言わせるなよ!」


「ちょっと待て、二人共。鞍馬はなぜそんなに急ぎ、荒っぽい方法で嫁を探しているのか教えてもらえないか」


かぐやが尋ねた。


「ここらの山は見渡す限り黒鳥人の支配する山だったがな、知ってのとおり魔物に巣食われ、仲間は殺され我らの居場所はなくなりつつある。だが、種を絶やすわけにはいかん」


「女に戦わせなくともお前が酒など呑気に飲んでおらず、魔物と戦えばいいだろうが」