先ほどかぐやが狩った魔物の牙を運び


鞍馬の傍に置いて一礼すると部屋を出ていった。


「闇蟷螂の牙か、これほどの魔物をお前のような小柄な娘が倒したとはな」


かぐやはそれほど小柄ではないものの


黒鳥人の女たちは同族の男よりも体が大きく


大柄な銀司よりも手のひら一つ分は背が高い。


「私一人ではない、仲間とともに倒した」


「お前が回転する円盤で八つ裂きにしたと聞いている」


鞍馬はかぐやに近づきジッと見つめた。


「いい目だな。臆することなく媚びることなく、濁りのない強く清い目だ。おまけにそなた半人だな。誠に興味深い。その銀色の髪は月の光のように美しい」


鞍馬が言いながらかぐやの髪を手に救い、


口づけするかのように自分の口元に持っていった。


「な、何をする無礼な!」


かぐやは身を引こうとするものの


体から力が抜けていく。


代わりに体が火照り心臓が高鳴り出す。


「言っただろ、強い子孫を残すために強い女子を嫁にもらうと。お前に決めたよ」


鞍馬がかぐやをそっと押し倒すと


首筋から柔らかな胸のふくらみへと唇を這わす。


押しのけたい気持ちでいっぱいなのに


力が入らず起き上がることもできない。