銀司がかぐやの肩をぎゅっと掴んだ。


「好きだよ」


かぐやは真っ直ぐ銀司の目を見てきっぱり言った。


「そうか、困らせて悪かったな」


銀司がスクッと立ちかぐやに背を向けた。


「銀待って、まだ私の言いたいことが」


かぐやの声に銀司は歩みを止めなかった。


「大事なことだから聞いて!」


かぐやは銀司の背中に飛びついて後ろから抱きしめることで


やっと足を止めた。


「ありがとうって言わせて。一緒にいてくれてありがとうって」


「俺はお前が好きだから一緒にいる。例えかぐやが白虎のことを好きだとしても、それでも離れるなんて考えられない。しかし、少しの間そっとしておいてくれ」


銀司は腰に回されたかぐやの手を振りほどいて再び歩き出した。


「馬鹿っ!私が好きなのは銀だよ」


銀司がゆっくり振り返った。


「でもさっき言っただろ、白虎が好きだって」


「だから、好きの意味が違うよ。白虎は大切な仲間、嫌いなわけない」


「じゃあ、俺は?}


「・・・私から口づけした人」


「思い出したのか?!」


「うん、忘れたままの振りしてた・・・ごめん」