かぐやの月

白虎が興味深そうにかぐやを見つめる。


「ええと・・・白虎や銀司に辛く当たったことが多かったが、本当は感謝していたりして、それをもっと言葉に出して伝えておけばよかったとか」


「かぐやがそんなことをね」


白虎が目を細めた。


「おかしい?」


「いいや、昨夜かぐやにお礼言われたし」


「聞こえてたのか」


かぐやの顔がほんのり赤くなる。


「声が小さすぎて、さっきまで幻聴かと思ってた」


「たた、確かに小さかった。うん、私が悪かったけど・・・酷い」


「ごめん、ごめん。でも一緒にいるのは俺がそうしたいだけだから、礼などいらないが、かぐやがそういう気持ちを伝えてくれるたのは嬉しい」


白虎が頭をかいた。


「ふぅ、白虎には言えるのに、銀にはなかなか言えないな。あいつには本当に調子狂わされる」


「それでも、伝えられるといいな。あいつは単純だから言葉にしないとわからない」


「言おうと思ったのに、いつもおしゃべりなくせに食事の時は殆ど話さないし、さっさと寝るし、わからないやつ」


「ま、かぐやが俺の銀子猫に乗り替えたのが気に入らなかったんだろうけど」


「なに!それは銀が・・・怒ったのかな」


「聞いてみればいいさ。ちょうど本人も起きたらしいし」


かぐやが振り向くと、少し離れたところに銀司が立っていた。


「顔洗って来いよ、出発するぞ」


白虎は立ち上がると、銀司とすれ違いざまにそう言って先に戻っていった。