かぐやの月

大切な仲間だと言ってくれるこの二人の言葉に自分はこれまで答えてきただろうか。


漆黒の炎を前にした時に、思い浮かんだのは銀司と白虎だった。


二人がいつか自分から離れていくのではないかと恐れ


仲間だと言ってくれる言葉を受け止めきれず


心に鎧をつけたまま接してきたことを後悔し


素直になれなかった自分を悔やんだ。


命を失うことに恐れはなかった。


父と母の魂を救い、月の精霊王の怒りを鎮め、荒ぶる魔物たちを沈めることができるのなら望むところだった。


しかし、心残りはただ一つ


銀司と白虎に再び会うことが叶わぬことだった。


素直になれていたら


伝えたかった


「あのさ・・・来てくれてありがとう。一緒にいてくれてありがとう」


かぐやは声を絞り出した。


聞こえたかな?


風の唸り声にかき消されたのか、白虎の返事はなかった。


それでも、かぐやはやっと言葉に出せたことが嬉しかった。