「馬鹿言わないで。それができないからこうして出ていこうとしてるのに」


「できるさ、かぐやが里を出るなら一緒にいく。俺が離さない」


「一緒に行っても、私は炎と一緒に消える」


「他に方法を見つけるのさ、かぐやが死なずにすむ方法を。お邪魔じゃなきゃ俺も一緒にな」


白虎がぼそりとつぶやいた。


かぐやは銀司から体を離し、白虎の肩を拳骨で押した。


「記憶、戻ったんだな。改めて、おかえりかぐや」


「ただいま白虎」


「土の中で聞いてたんだろ?土人族、俺たちは今から漆黒の炎とやらへ行く。もう明星の里にもかぐやにもちょっかいかけてくるなよ!」


白虎が大声でそう言うと、地の底から返事があった。


   
『おまえたちが漆黒の炎を消すまで俺たちは見ているからな』