「今夜は俺と一緒に寝ろ」


銀司が唐突にかぐやへ向かって言った。


「は?」


「これまた大胆な発言だな」


「最低っすよ銀司隊長」


里守数人で土人族に破壊された家屋の片付け作業をしていたが、


銀司は全員から避難の言葉を浴びせかけられた。


「なんだよお前ら!かぐやが一人の時に土人族がまた襲ってきたらどうするんだ。奴らはなぜかかぐやに狙いを絞ってやがったんだぞ」


「あー、そういうことか」


「銀司隊長のことだからてっきり別の目的かと」


「銀司さんが言うとまともな事もそうではないように聞こえてしまう時が・・・」


せっかく、いいことを思いついたと思ったのに他の里守の反応に銀司が怒鳴った。


「ゴチャゴチャ言ってないで、さっさと仕事しろ!」


成り行きをポカンと眺めていたかぐやは、銀司についてくるよう呼ばれた。


「白虎にも伝えてあるが、しばらく村はずれの神社で休もう。心配いらない、俺たち二人が必ずおまえを守る」


「いつだって信じてるよ」


かぐやの心はキューッと締め付けられた。


できることなら、ずっとここでこの人たちと暮らしていきたい。


心の底から思った。