二人が同時に技を繰り出したおかげで範囲数十メートルの地面がぼこぼこになり、土人族が転がった。


「かぐや、その腕」


白虎が座り込んで息を整えているかぐや駆け寄り、手を伸ばそうとしたがかぐやに触れる前に止めた。


銀司が駆け寄って、かぐやの頬に手を添えて顔についた土埃を拭った。


「手足首の痣がひどいな、ひどく締め付けられたんだ。畜生!あいつらめ」


「大丈夫だよ銀ちゃん、折れてない」


銀司は不満げにかぐやの体に優しく触れて無事を確かめた。


「土人族は逃げた奴らがいるな」


白虎は争った場所を念入りに確認している。


「千歳の里守はどうなった?」


「あいつらを率いてた頭は潰したし、ほぼ壊滅状態だ。生き残りがいてもうちと戦える状況にはもうない」


「さすが白虎だな、助かったゼ」


「お前たちが早く戻ってきたから、里中の被害が抑えられたんだ」


銀司と白虎はバシっと手と手を打ち合って互の功を称えた。


「しかし、土人族のやつら一斉に消えたと思ったらかぐやを集中的に狙いやがった。どうしてそんなことを」


「土人族が言ってた。私のことを『異界の者』とか『見つけた』とか」


かぐやの表情が曇る。