かぐやの部下が悲鳴を上げる。


見れば、銀司の部下の首が地面に転がっているではないか。


しかも、目や口が動いている?!


「た、助けてくれー」


どうやら、地面に首から下がすっぽり埋まっているようだった。


かぐやの部下が慌てて掘り起こしにかかる。


「かぐや!怪我はないか」


銀司がかぐやの肩に手をおき顔を覗き込む。


「大丈夫」


銀司も土まみれだが、ひどい傷はなさそうだった。


かぐやは銀司の額に手をあてがって、敵の石つぶてがかすってできたのであろうか、切り傷を治しながら言った。


「銀ちゃんの指笛で助かった」


「こっちもさ。達磨火が通った痕跡が全く見つからなくておかしいと思っていたら、下から石
つぶてが飛んできて、撃ち落とされた挙句、足をとられて地面に引きずり込まれているところだったんだ。そこへかぐやたちが飛んできたもんだから、土人族の注意がそっちにずれた隙をみてなぎ倒せたってわけだ」


「土人族?そうだ、千歳の里は土人族と組んだのね。それで馬籠の里を落として・・・全部罠だったの。やつらは明星の里を狙ってる」


「くっそう!まずいな、急ぎ戻るぞ」