シュパッ


バシュッ


刀を交わせては飛び退り、目にも止まらぬ速さで次から次へと技を繰り出すかぐやと白虎の組合に他の里守も固唾を飲んで見守っていた。


「かぐや、今日はここまでにしよう。皆を各自の練習に戻らせないと」


かぐやの息はだいぶ弾んでいた。


「お前ら!訓練にサッサと戻れ!!」


白虎の怒号に雲の子を散らすようにほかの里守が去っていく。


「結局、女里守の宿舎で寝起きしているらしいな」


白虎が水を投げてよこしながら言った。


「うん、他に行くところもないし」


あれきり、椿たちはかぐやを無視はするが、嫌がらせはしてこなくなった。


「ねぇ白虎、私さ半人なんだって」


白虎は水の入った竹筒を握り締めて小さくなっているかぐやをジッと見つめた。


「半人って人間とは違うってことかな」


「俺たちの世界には人間の他にも色々な種族が住んでいるんだ。魔物や精霊や巨人など数え切れない程の種族がいる。他種族間に子孫は残せないと思われているが、希に種族同士が入り混じった存在もある」


「私はそれなの?」


「んー、里長が任務で里の外へ出ているとき、竹やぶでおまえを見つけたらしい。その時深手を負って息を吸うのも辛い状況だったにも関わらず、まだ赤子のかぐやに触れただけでみるみる傷が癒え、里へ戻れたそうだ」