悪役系女子と王道な奴等




「俺も行ってくる」



布の擦れる音がして、中内が立ち上がった



「そう。」  


「じゃあ」



一言だけを残し、未練はないとばかりにすぐさま立ち上がる


それがあの子を心配しているみたいで、

早く会いたいと、示しているみたいで、


どうして、皆、あの子なんだろう





歩き出した中内を見送り、膝の間に顔を埋め瞳を閉じた