「百合は競技中、どうすんの。俺らはテント一つもらったからそこにいるけど」

テント一つもらったって…おい学校


「私は友達といるから。何かあったら夏弥のとこ、いくね」


「ああ」




遠くの方で、ちょっと溜息をつく姫様が見える



「ねぇ、夏弥。私早退するから。あとよろしく」



「え、百合ちゃん帰るの?」


「ちょっと体調がよくなくて」


「マジか。気をつけろよ」

「ありがとうございます、それでは」


「あ、送ってくから。待って」



携帯と財布を持ち、中内は立ち上がった私の腰に手を回した