悪役系女子と王道な奴等



美空side




震える肩を夏弥に抱かれている百合ちゃん。

少し体を離すと夏弥は腰に巻いていた黒のガーデンをその肩に被せた。

「取り敢えず、着て」

「ありがとう...」

擦れた声でカーディガンを羽織った百合ちゃんを確認した夏弥は


「俺ら、先帰るから」

そう言って、百合ちゃんの腰を抱き出口へと歩いていった