ダイスキ、でもキライ

《ゆあside》

あれから、2分がたって。私は1歩近づいた。

この距離が、今。縮まる。


「璃央には言ってないんだけどね。」

ひとつひとつ。語りだしていく。

「璃央は・・・お金持ちだけど。そのわりに価値観知らずの常識知らずで。小っちゃいころはよく困ってたんだよね~。」

そう言いながら。私はゆっくり中庭のベンチに腰を下ろした。

――――あと20

「でも、そんな璃央も好きだった。言葉も優しくて・・・性格もいいし。まさに女子の理想の王子様って感じだった。」

そう。私達はあの日から変わったんだ。

「幼稚園の年中さんの頃。1人の男子にからかわれて。『お前ら夫婦かよ~!?お似合いなんじゃね??ま、瀬川と結婚しても嬉しくないかあ~』って。そのときはイラついたけど。ここで反論しちゃ、負けかなって。」

私のプライド。

「そのときの璃央はとても気弱で。男の子とは思えなかった。でも、なにか堪えてるような。目つきが鋭くなって、充血してるときもあったの。」


いつのまにか、1人の語りになってて。

いつの間にか、葵が隣にいて。

「そんなこんなで、璃央はアメリカに発って。再開できたのは・・・――――去年だった。」

全部一応語れたかな・・??

「ってことなんだけど・・・?璃央とは付き合ってないよ。私はその気がないの。なんか、政略結婚はしたくないって。」

「じゃあ。なんなんだよ?」

「え?」

また、低い声。

「アイツとの昔話で。俺の機嫌をとろうってか??」

「っ違う!私は・・・ただっ」

「じゃなんなんだよ!??見せ付けてるのか!?」

言い争いなんか、するつもりじゃなかったのに。

「違うっ」

「口ではなんとでも言えるもんな。」

「違うって!」

なんど言っても聞かない葵に私は最終手段を使った。

「うそつ・・・――――――」

チュ。


口と口を重ねあわせた。

「はぁ・・・お前!なにして・・・」

「だって!葵が聞いてくれないから・・・・。私。葵が好きだよ!大好き!一番大切なの・・・!!」

「え・・・おま・・・――――――」

赤面になってる葵を眺めて、呟いた。

「ずぅっと、これからも好き・・・」

すると葵は――――

私を抱きしめて。

「俺も。ずっとゆあが好きだったよ。」

二人の長い物語が、今日。終わった。

ううん。終わったんじゃなくて始まったんだ。

私達の。未来の物語が――――