ダイスキ、でもキライ


《葵side》

俺がゆあを好きでも、あいつは俺を好きじゃないことは知ってる。でも、諦められない。

なんだって、アイツがいるから絶対に負けたくない。

あいつの存在を知ったのは今日の朝のことだった――――――


『璃央。紹介するね!この人はー・・・春田葵。私の友達だよ!』

この言葉を聞いたとき、俺は正直ムカついた。

なんで俺は友達止まりなんだ、と。

ここまでは許せた。自分の被害妄想だと。

しかし

『俺は、前田璃央。ゆあの幼馴染だ。』

これを聞いたときにはすでに頭は真っ白になっていた。


『で!なんとなんと!私達。付き合うことになりました!』

これが一撃だった。

正直なところ、ゆあは俺のことを好きだと思っていた。

しかし、勝てなかった自分に腹が立った。



『俺は、アイツに負けた。』



そんなことは絶対に認めたくない。

認めたらたぶん一生立ち直れないだろう。


「ま、奪い返せばいいか。」

そんな独り言を言ったとき。

「な~にをですか♪」

と無邪気な声が聞こえてきた。予想は付いていた。

「――――ケイスケ・・お前なぁ。」

ケイスケは、本田啓祐のことで学年1モテる。

ってか、今思えばゆあもわざわざ違うクラスに言いに来たって。

「あらら~。瀬川さんとはうまくいってないのかな??」

「うっせ。黙ってろ。」

しっし と手で払うしぐさをして言うと

「――――あんまり油断してると横からとっちゃうからな。」

「は?」

それだけ言うとケイスケはスタスタと行ってしまった。

あいつはゆあのことが好きなのか?

それとも、からかいか。

「わかんねぇよ・・・。」

いつになったら俺は伝えられるんだ。

このキモチを――――