ダイスキ、でもキライ



「ねぇねぇ。ゆあー。あなた、前田君と付き合ってるの?」

「ん?うん。そうだけどー?」

1時限目の途中に絢乃が話しかけてきた。

「葵は?どうするのー??」

「んー。まぁ、いいんじゃない?って感じかな。葵・・・好きだけどっ」

「なんじゃそりゃ。」

ズコッとなった絢乃をみて、思わず笑ってしまった。私は、葵が好きなのかな?それとも璃央が好きなのかな・・?


どっちだろー・・・。

初恋は璃央じゃないし・・・。

一緒にいて楽しいのは葵だし・・・・。

「ねぇ。絢乃。好きってどんな感じ・・・?」

「何よ。急に。」

「いいからいいから!」

「んーと。好きって感じは、一緒にいて楽しい。とかこの人なら何でも話せる。とかかな?私も陸渡とはそうだったもんなあ・・・。」

初めて知った。

「そ・・か・・。」

「ねぇねぇ。ゆあはさ、どうなの?璃央君と葵。どっちが好き~??」

どっち・・・・だろう

「葵は、一緒にいて楽しいし・・・??璃央は・・・特に?」

「へぇ。葵は好きじゃないんだ?」

グサリと刺さった絢乃の言葉が私の思考をさえぎった。

好きじゃないし! 好きじゃない! うん!

「いつも・・どこかで逃げてるんじゃないの?」

「へ??」

「友達。友達ってゆあは思ってるかもしれないけど、葵はどうなんだろう?本当に友達だと思ってるのかなーなんて!お節介だったらごめんね?」

「私・・・どっち選べばいいの・・??」

いつのまにか、涙が出ていた。すると―――

「いつまで弱気になってるの?」

ふいに聞こえた声ではじかれたように振りかえる私と絢乃。

そこにいたのは――――

「魅音!!」

「せっかく譲ったんだからさァ。しっかりしてよね~??」

「なっ!譲ったって・・・。退いたのは魅音でしょ~?」

そういうと、魅音は不敵に笑ってこう言った。

「―――ただ。葵君とゆあじゃないとダメだなって。そう、思っただけ。」

「・・・ふぅーん??かっこつけちゃってさ~春野さん。」

「なっ!・・・っも、もう行くからね!?それを言いに来ただけだから!」

絢乃のすばやい指摘で顔を赤面にして言った魅音。

それに対して私はフッっと口の口角を上げて笑った。

「―――で??どうするの?」

「どうしようかな・・・?」

私は言葉をにごらせた。

「葵には、大切なひとがいたりするのかな?」

ぽつりぽつりと心に雨が降った―――