「ねぇ。蓮君。ちょっといいかな?」
「何?」
「てっめぇ!!ふざけんじゃねぇよ!!!!!」
私が言うよりも早く、葵が言った。
「え?ちょ、葵!!」
「さっきから、聞いてれば・・・人のことおもちゃのようにしやがって!!ゆるさねぇ!!」
「ハッ。お前に関係ねぇだろ。」
「ゆあ。あっち行ってろ。」
「うっ、うん。・・・美優行くよ・・・」
「え?ちょ・・・ゆあ!」
「あーあ。僕の、シンデレラが逃げちゃった。」
信じられない。そう思いながら美優と屋上に向かった。
あんな軽い男、一目ぼれなわけないじゃん!!
「美優・・・。」
「私。勘違いしてたのかも。ごめん。ゆあ。」
「美優・・?」
「私、きっと恋がしたかったんだ。イケメンなら誰でもいい。そう思ってたけど・・・。」
返す言葉がない。きっとそれは・・・・
「私、宮本君じゃなくて春田君に恋してるんだ。」
「み・・・・ゆう・・・。」
「ごめん。」
信じられない・・・。だって・・私が一目ぼれしてた蓮君のことも、無理やり・・・・。今度は・・・葵・・?
「ねぇ。ゆあ。」
「何・・・?」
「譲ってくれるよね・・?」
真剣な瞳でこっちを見てる・・・
本気なんだ。
「私。ずっとゆあに憧れてたんだ。春田君や、有森君に近づけるゆあが。」
有森は、有森緒馬のこと。一度告白されたけど、振ったんだったっけ?
「だから、昨日はうれしかった。ゆあに近づけて。」
そういえば、髪型も若干似てる・・。
「髪型も、メイクも。私なりに研究して、ゆあに近づけるように。」
いや。無理でしょ?性格違うし、私天然パーマだし。メイクも方法がオリジナルだし。目の色も大きさも違う。背の高さも美優が低い。根本的に違う・・・。
「美優。」
「ごめん・・・。」
「謝らないで・・。」
「恋をするのは誰でも一緒だし。しょうがないよ。」
「ゆあ・・・。じゃあ・・・」
「だけど、譲るつもりはないよ。」
これは、これだけは、譲れない。
「なんで?」
「葵は、私の大切な幼馴染なの。簡単には譲れないの。」
「サイッテー。ゆあは、何もかも私から奪っていくよね?」
「しょうがないよ。私のせいじゃない。第一、何もかも私とそっくりにする美優にも悪いところがあると思うんだけど。」
これは、事実。
「それはっ・・・!」
「美優って、うざい。パクリ野郎。」
それだけ、言い残した。
私達は、もともとこの運命なのかな・・・・。
そんな事考えてるけど。
口に出す勇気が足りなかった。
