春。私達は高校生になって、一歩大人になった。


高校生って甘くはないけど、きっと恋は甘いはず・・。

やっとかっとで合格したこの明陽高校で新しい友達を作る!!のが目標。

一緒に合格したのは、中学からの親友。時川絢乃と幼馴染の春田葵。

まさか、葵が合格するなんて思ってなかったけど。私の好きな人。





「あわわわわわ!やばいぃぃ!遅刻する!!」

入学式から1週間。何気ない日常の中でも、この光景は3度目だ。

「もう、散々だよおー。」

本当に散々な目にあってきた。普通に家を出たと思えば。水溜りでこけて着替えなおし。

「はぁ。ついてないな・・・。」

ピーンポーン

「あ!いそがないと!今日、絢乃と約束してた!!でも、まだメイクがあああ!」

「ゆあー?もー。メイクしてる場合じゃないよー?」

「なんで、分かったの!?エスパー!?」

「違うよー。大体分かるよー。」

まあ、それもそうか、中学からの付き合いだもんね・・。

「っていうか、急いでーーーー!!」

「まってえええええええええええええ!」

朝からうるさい日常だ。



「ギッギリギリセーフってとこ?」

「あはは。もーちょっと早く起きてくれればなーゆあが。」

「すみませーん・・。」

そんな話をしていると・・。

「お、ゆあじゃん。今日も時川をまきこんで遅刻寸前か。」

「なっ!失礼なー!遅刻寸前だけど、毎日じゃないもん!ちゃんと出てても不幸に会うんだよー・・・。」

言いながら、テンションが下がる・・。

我ながら、この不幸は幸運になりそうにもない。