杏里とは
あの日以来、

泉くんについて
何も話していない。
本当は杏里に、

泉くんのことが好きなの?

だから私におススメできないって言ったの?


って聞きたい。



そう思って
泉くんの名前を出そうものなら、
うまいことかわされて


話を変えられる。


そんなこともあり、


私の中で杏里に対する
不信感は増える一方だった。



そんな気持ちを抱えたまま、

緑が濃くなる季節。



遠足

あくまで学校行事。


班はくじ引きで決めることになった。



杏里とは同じ班になれるといいね。



なんて話しながら順番を待った。



結果、
杏里、賑やかな加藤くんという男子、

そして泉くんを入れた男女4人の班になった。



泉くんと同じ班だということに
嬉しいと思う一方で、


杏里と同じ班なことに
抜け駆けはできないなと


少しがっかりした。

この班で楽しく過ごせるのか
少し心配ではあるけれど、
1日だけだと思い
楽しく過ごせるように



努めようと決めた。