それは授業前の休み時間。







「ねね!どこから来たの?」






「えっと、東京から」







「東京!?まじかー、言ってみたいわー東京出身です!ってー」







「お前には無理だわ(笑)」







「あ、そう!俺は水川航平!あと、このメガネは坂崎黎弥な」







「メガネ言うなおい!(笑)」







「あたしは松本愛梨でーす!よろしくね!」






「私は野村爽夏。みんなさやって呼んでるからさやって呼んで!」







とりあえず、



左斜め前が航平


右斜め前が黎弥


前は愛梨


左隣がさや(爽夏)



ってことだけ把握した。






「あれ、こっちの隣の子は?」







俺がそう聞くと、みんなは少し苦しそうな顔をした。







少しの沈黙の後、さやが口を開いた。






「その子は橘翠桜。」








その後に聞いたことに俺は驚きを隠せなかった。








「翠桜…失声症なの」