あ、あの親子だ。


徐々に僕達はあの親子に追い付いてきた。








今日はサッカーボールを持っている。


今日も宝石公園にいくのだろうか。







一度店で会話もしてるわけだ、話しかけても大丈夫かもしれない。




相変わらず素敵な親子だ。



「相変わらず素敵な親子だ。」
心の声が声に出ていた。




「ポチもおもうでしょ?」


ポチは反応を示さなかった。













今日も国道は色んな音が響きびゅんびゅんと車やトラックが忙しそうに通りすぎる。


お母さんと信号待ちをしている。




何かを話している。「あの車はね~」そんな声がお母さんの方から聞こえた。



微笑ましい。




子供がニコニコしながら小さな腕でボールをポンポン跳ねさせながらお母さんの話を聞いている。








僕達は信号で親子に追い付き二人の少し後ろで止まった。






カメラがあったらこの幸せな二人をまた納めたいなぁと僕は考えていた。












その時。
子供の腕で跳ねていたボールが着地位置を間違えてまだ青信号で車が行き交う国道に向けて転がっていった。