5月22日
ここ最近ポチは僕にずっとくっついている。
ポチも家族として受け入れて信頼関係が僕らにも芽生えたのだろうか。
ご飯食べるときも僕の足の上
お風呂入るときも近くでポチはみていて
寝るときも最近は僕のお腹の上
自分の子供のようだ。
僕は君が来てから自分でもわかるほどに変わった。
愛がわかりはじめてきた。
まだ笑顔は綺麗につくれないけど時間の問題かもしれない。
一人でずっと生きていくと思っていた。
でもいずれ家族がほしいと、今は思い始めていた。
もし僕に子供ができたら笑顔が絶えない家庭にしたい。
みんなそろって食事をして
休みの日にはあのこのように近くの公園にいこうか
いつか、僕の子供が大人になったときに幸せな家庭だったと思えるように。
ポチは僕の家にきてから何かかわったのか。
最初からひとなつっこかったな。
でも一人で生きてたから寂しかったのかもしれない。
それはポチ自身にしかわからないけどこの家にいる二つの命は互いに必要としているんだと思う。
誰かのために動くだけ損だと思ってた。
信用できなかった。
でも少なくとも今はポチのために何かをしてあげたいと思う。
人間相手だとまた怖くなるのかもしれない。でも人間だろうと猫だろうと僕は誰かにたいしてはじめて何かをしてあげたいと思える存在だった。
「ポチ、明日うちの店にカメラ買いにいこうか。そしたらまたたくさん写真とろっか。」
「にゃ」
ポチは僕にコツンと頭をぶつけて鳴いた。
こないだの親子のことを僕は考えていた。
あの子は大きくなったらあたりまえにパパがいてママがいる。
僕には知り得なかった世界。
大きくなったら僕は幸せだったと気づくのか。
いや、多分気づかない。
それが「当たり前の」幸せだからだ。
でもそれでいいんだ。
あの子は絶対素敵な子に育つ。
僕はあの写真を見てそう思った。
外見は少し昔の僕ににていたのにこうも違うんだなぁ。
ポチが僕の膝に手をのせた。
「またトランプか?」
ケースからだしてあげるといつも通りカードに突進してカードをぶちまけた。
楽しそうだ。
またうろうろしてカードを1枚手でつついて選んだ。
クローバーの9
最近選んでたカードも9で三回連続だった。
そして尻尾を2回パタパタさせた。
「また9か!写真ね、わかったよ。」
カシャッ
とってあげると満足そうにポチは床に横たわりうとうとしはじめた。
「自由だな、ポチは。」