次の日、僕は寝坊した。

夜風が気持ちよかったのか目覚めたのはアルバイトが始まる時間が30分過ぎたあたりだった。






「うわ」



なんだろうか。このレベルの寝坊だと人は一度冷静になる。

変にギリギリで起きたほうが瞬間的に体は焦る。







しかしすぐに僕は現実に戻り、慌てて着替えポチに挨拶することもなく鞄を乱暴につかみ家を出た。








国道へ続く坂道を口が開いたまま、だらしなく走る。


下り坂は走るとリズムがこんなにも狂って走りにくいのか。

足をひねったらこのまま転がって国道にまで突っ込むのだろうか。


まだ寝ぼけているのかどうでもいいことを考えていた。








ふと、思った。





僕はどうして走ってるんだろうか。