ポチにご飯だして窓から流れ込む心地のよい夜風を感じながら一人と一匹は夕食をすませた。
今日もポチはトランプで遊ぶ。
そして写真を撮れとせがんでくる。
最近はポチとトランプの写真しか撮ってないな。
会話が成り立ってはいない。
猫と人間。
でも何か通じあってはいるのかもしれない。
お互いに一人で生きてきた。
もう一人でいたことは遠い昔にも感じなくもない。
ポチの器をみると少しご飯がまだ残ってる。
「ポチ、餌食べろよ」
ポチはおやつを食べたからかお腹一杯なようだった。
ああ、デジャヴかな。
いつだったかな。
「ポチ、餌食べろよ」
僕もそう言われたことがあった気がする。
同じ言葉を僕が言うことになるとは思わなかった。
でも全く意味合いの違う同じ言葉。
小さくても僕がポチに発したその言葉には愛があったのかもしれない。
この小さな猫が僕にとっては唯一の家族なんだと再確認した。