そして父と離れ二年が経った。 三人で暮らしていたときの方がまだ良かったのかもしれないと思うようになった頃だった 母は過労とストレスで家で倒れた。 運ばれた病院で母は帰らぬ人となった。 肉親が死んだのに僕は涙が出なかった。 それは僕の心が氷になったのか、悪魔にとりつかれたのか わからない。 ただ、 心の底からホッとしていた。