写真を撮られるのが好きなのか猫は鳴いた。
すると先程まで自分が猫を呼ぶときに「猫」といってることに気付いた。
「名前か、、、」
猫は僕の顔を見る。
誰かに名前もつけたことはもちろんないし、友達がいなかった僕は誰かの名前を呼ぶ経験が浅すぎたためか欠片も案がでてこない。
もういっそのこと猫でいいのか
あだ名をつける人ってすごいなと思いながらもぼんやり考えてると閃いたものがあった。
「あ」
猫が反応して見上げる
「ポチ」
「ポチはどうだ?」
それはかつて僕が長いこと呼ばれていたあだ名だった。
決していい思い出がある名前ではないがこいつの一人ぼっちな姿を思い出して自分と重なることからポチはいい名前だと思った。
一般的に犬をイメージする名前だが猫につけるというのも斬新で僕は有りだと思った。
「なあ、ポチ。お前の名前はポチでいいか?」
ポチはまた一言鳴くと
頭をコツンと僕にぶつけた。