なんだか「うん。そうだよ」と
言った気がした。
気がした。
そして猫は笑った。
猫が笑うなんて馬鹿かもしれない。
そんなことはないのかもしれない。
でもその猫になんだか僕は親近感を覚えてしまった。
瞳の奥が寂しい。どこか一人で生きていくと誓ったような。同じ目を見つけてよろこんでいるような。
それは僕も同じかもしれない。
アパートの方向へ歩き出すとその猫は僕の足下を一緒についてきた。
「帰る場所、ないのか?ついてくるな」
また歩き出す
猫はまたついてくる
今度は強目に鳴いた「ニャー!」
困ったな、餌付けしてわけじゃないのに。
僕は猫に好かれたのか?
小さな動物だけど今まで友達がいなかった僕にはこんな小さな友達も嬉しかった。
嬉しいという感情を僕は思い出した。
