4月23日春も半ば過ぎた
今日もアルバイトに向かった。
店に春野さんが来ていて店長と話していた。
「一樹くん、カメラどうですか?」
春野さんが僕にきいた
「まぁ。はい」
当たり障りない返事をした
そのとき今日も持っていたカメラを
ヒョイと春野さんに取り上げられた
「あ、」
「一樹くん結構写真撮ってるじゃない!!これとか店長さん、いいですよね?」
春野さんはカメラに入ってた写真のうちの一枚を店長に見せた。
店長はこっちを見て微笑む。
人の笑った顔はこういうのか、、と考えていたら店長は僕に言った
「一樹くんは、カメラをいただいてから心なしか少し表情が柔らかくなった気がするね。前より話してくれるしね!人間になったようだね!あははは」
思いもよらない言葉に僕は固まってしまった。
僕はその日、両親が離婚してから初めて微笑み返した。
少しずつ僕にも"普通"の人生が送れる希望が芽生えた。