それから一年が経ったくらいの事だった。
何も変わらない毎日に変化があった。
母が僕を、かつての父がしたように殴り、蹴り、そして食事もまともに食べさせてもらえなかった。
母にも限界が来た。
生きるためだけに働き、会話もない冷たい家。
溜まりに溜まったストレスは僕に向けられた。
体の痣を隠すために学校には夏も長袖で行った。
誰も頼る人がいない僕は学校で世間的には友達という人間に話しかけてみることにした。
作り方を忘れた笑顔も自分なりに組み立てて、悪口を言われても食らいついて見せた。
沢山話しかけた。