「ハートの2!」
「えーっと、、、次はこれ」
カードをめくる

「ああ、スペードの6だった、、」
カードをもとに戻す




「じゃあ次は君の番ね」
「これにしよっかな」
カードをめくる


「スペードのJだ」

「次は、、、これ」
カードをめくる



「クローバーのJ!やった!」
2枚のカードをとる






「一人で何やってるの?うるさいんだよ。こっちは疲れてるんだよ。静かにしなさいよ」
声が聞こえてくる





「、、当たったからもう一回、、」



ドンと重い手のひらが頭に飛んできた。
あまりの衝撃に倒れこみカードが散らばる


「何回いえばわかるんだよ、うるさいっていってたんだよ。片付けて」





涙を浮かべ赤くなった耳周りがジンジンとしながらカードを集めて夕食を食べないまま布団に入る。






目を覚ますと時計は11時36分をさしていた



最近よく見る夢。




幼い頃、遊び相手がいなかった僕は一人でトランプをしていた。
相手がいない、自分と自分の戦い。


それを遊んでほしくて、母の気を引こうとして僕はわざと声を出して一人で遊んでいた。



その度に母はうるさいと僕を叩いた。

しばらく衝撃が残る頭。

声も出さずに泣いてまともな夕食も出してもらえないまま布団にはいった。





東子さんが死んだあの日から
ときどき昔の自分自信の記憶の夢を見ることがあった。