「僕」が帰ってきた。
今日もいつものように玄関に行き、頭をぶつけて挨拶をする。
「僕」は今日の仕事で疲れているのか鞄をデスクにボンと置き、その勢いで中身が飛び出した。
お、匂いがする。
僕は「僕」がおやつを買ってきてくれたことに気付いた。
ツンツンつついてみる。
「ポチよくわかったね、おやつを買ってきたから待ってね」
「僕」は周りに落ちた鞄の中身を拾い、手を洗って夕食の用意を始めていた。
買ってきたくれたおやつをもらった。
うん、不思議とおいしい。
人間でいえばポテチを食べるような感覚だ。
しかし量はすくない。
もうひとつというアピールをこめて手を「僕」の膝にのせた。
「わかったから」
もうひとつくれた。
「今日は終わりだ。ご飯を食べよう」
そう言って「僕」はご飯を取りに行った。
「僕」は少し部屋の窓をあけた。
空には月が見えた。
ああ。猫としてみてもきれいだ。