僕は「僕」に猫缶を出してもらった。

うーん、不思議と美味しく感じる。
味覚も猫になったわけだ。


夢中に食べる。










僕はこの日の昼いつものように走り回ったりもしていたがあることを考えていた。

忘れるところだった。



僕が猫としてここに戻ってきた理由。






「僕」が死んでしまう運命を変えたい。



誰もが思うことかもしれない。

でも僕は僕自身を生かしてあげたかった。いままでずっと一人で寂しい思いをしてきた。

せっかく家族というものが手に入り明るくなってこれからがようやく人生が始まる。


というときに死んだのだ。


こうして猫として生きているから死んだという実感はまるでないがなにもしなければ僕はあの日から先にはいけない。

もう少し。




先の未来を歩いてほしかった。






僕は昼に考えた。

どうしたらいいだろうか。

結局5月23日がくるまで僕は何もできないのか?





転生のルールを考えると僕か「僕」のどちらかは必ず消えてしまう。

だからなにか、もし僕がいなくなって「僕」が生き残り未来を歩むとき、何か糧になるようなそんなモノは残せないか。







誰より「僕」を理解した僕だから、よく考えてみた。