歩乃花side


「はっ……――はぁ」

私はなぜか、小澤くんを追っている。

小澤くんぽい人がいても……

「小澤く……すいません、人違いです」

ずっとこんな感じ。

「君、一人?」

突然、知らない人に話しかけられた。

「え?はい」

仮面を被った謎の男性。

私が返事をした瞬間に、フッと笑った気がした。

なぜか、嫌な予感はしない。

そして、男性は手を自分の顔へゆっくり動かした。

「?」

私には、『はてな』マークが浮かび上がっている。

「君、気に入った。
ちょっと来て」

「へ!?」

「無理矢理とは言わないけど……

あ、その前に、君誰か探してたよね?」

その事に、一瞬ギグっとする。

そうだった………――――――。

「はい」

「ハハッ、そんなショボンとなんないで?」

「すみません――………ってえっ!?」

え?

まさか、

まさか、

「「キャッー!!!風真くぅ〜ん!!」」

畑仲風真(はたなかふうま)君が……。

私の目の前にいるー!

「ちょっと来て」

「ふぇ?!」

猛ダッシュ!

早いっっ。