理人side


「小澤……くんっ…!」

歩乃花が泣いた理由。

俺はそんなの…分からない。

「ん?」

何か聞きたそうに。

口をパクパクさせる。

「なんで……」

なにか言いかけて、黙りこむ。

「なんで……私のこと助けたの?」

なんでって………


そりゃ……

大事な人だからに決まってるし。

守ってあげたいのは当たり前。

いまは、危ない時期だからそうとう。

好きだからっていい理由もある。

でも一番は

俺のそばにいてほしいから。

俺が守ってあげたいから。

「そんなに知りたいか?」

これはもう。

嫌われてもしょうがない。