あたしの特別な人


***

しばらくして、

ザワザワ感がなくなったと思った。

でもなぜかまだ、期待感デ。

気づいたら、耳も塞がれていた。


ガチャッ

ついたのかと思い、安心する。

目を開けようとした瞬間に、

ガシッ

両手を掴まれて、壁に押さえ付けられる。

ドンッ

「バカ?」

急にそんなことを言われる。

なんのことか、分からなかった。

「今あんた、超危ない状況だよ?」

「え?」

「まだ、分かんないの?

襲わられるよって言ってんの。

なに?食われたいわけ?」

まだ、理解ができない。

「まだ、分かんない?」

「はい……てか、こ…んっ!?」

冷静になんてなってらんない。

わたしは…キスされてる。

いやだ……。

襲われそうになってから気づくこと。

これは全部…仕組んだことだった。

お母さんのなんちゃらは…嘘だった。

急に、嫌な思いがあふれる。

いや。

いや。

いや。

助けて。

だけど、それは届かない。

とうとう、立ってられなくて、腰が抜けた。

それを、ヒョイッと持ち上げる。

そして、ベットに倒される。

「ほんっと、バカだね」

そう言われて、また口を塞がれる。