***

ピンポーンッ

ガチャッ

「さつきぃぃぃ!」

「きゃっ」

にしても…

「さつきっさつきっ」

「はいはい、おじゃましまーす」

そう言って、歩乃花の家に上がる。

また、ひとりだったんだ。

もう、小澤は何やってるんだか。

「部屋…行こう?」

「うん」

やっと落ち着いたみたい。



ガチャ

「はぁ……」

泣き疲れたのか、歩乃花がため息をついた。

「で?」

「胸が…痛い。ズキズキして……でも、昨日のこと思い出すと………ドキドキになって…。
どんどん不安になっていく」

「バカ…」

うん。

こいつかなり、ふざけてる。

「でもね……。私っ…」

そう言いかけた歩乃花は…黙りこむ。

ガチャリッ

「まだ、悩んでたのー?」

声が聞こえた方を見る。

「戸田!?」

そう、私は戸田が好きだ。

でも戸田は……。