理人side

自分の心臓の音を無視して、歩乃花に話しかける。

ーートクンッ

ーートクンッ

「でー、何がないない?」

そう聞くと、

かなり分かりやすい顔で、

待ってと言っている。

その数十秒後、

歩乃花はなかなか返事をくれないから、

また、話しかけてみる。

「歩乃花?おーい」

今回は俺が悪いって思った。

歩乃花をびっくりさせちゃって、

そのせいか、歩乃花はバランスを崩した。

怖くて気絶したのか、なかなか目を開かない。

抱きとめてるけど……

ちょっと、不安になったから、

お姫様抱っこをして保健室に連れて行く事に決定。

「きゃーー!!小澤くんかっこいい!」

そんな黄色い声に反応したのか、

歩乃花は起きた。

間近くに歩乃花の顔があると考えると、心拍数が増えた。

ーートクンッ

ーートクンッ

気を遣っているのか、歩乃花は…

「小澤くんっ……わたし重いからっっ」

なんて言ってきた。

ない。

逆に…軽い。

軽すぎる。

歩乃花…体重計で自分の体重測った?

かなり軽いよ。

でも、可愛いから。

意地悪する。

「だから?」

分かってるけど、あえて聞く。