理人side

4月10日。

この日、歩乃花は入院した。

登校中に…石を投げて遊んでいた中学生ぐらいの男の子が、投げる方向を間違え、歩乃花の方へと投げてしまったらしい。

たまたま、それを見た俺は、止めようとした時に、投げてしまったもんだから、どうすることもできず。

まさか、歩乃花がいると分からなくて。

男の子が言い出した言葉に気づいても、もう遅かった。

周りの人が騒ぎ始める。

誰も助けようとしないのかよ。

そう思いながら、歩乃花の方へ歩く。

ここは、駅の近くで病院も近い。

誰かが、病院に電話してくれたらしく、看護師さんたちが、迎えに来てくれた。


この事故から2日。

やっと歩乃花が目を開けた。

だけど……

「だれ?」

俺の記憶を…なくしてしまったらしい。

なんで俺だけ?

そう思い、先生な元へと走る。

「先生っ!」

病院走ってすみません。なんて言ってる暇はない。

どう聞こうかな?

「どうされました?

………あ、小澤君でしたっけ?」

「あ、はい」

「僕もお話が」

そう言われて、先生が歩き出した。

俺は先生についてく。