「マナちょっと来い」

俺のどす黒い声に…さっきまで盛り上がっていたクラスが、静かになり始める。

そして俺は、歩花とすれ違う寸前に、歩乃花の耳元で囁いた。

「ごめん。あとで話ある」

それを見たマナは、ニヤリと笑って俺と歩乃花を交互に見る。

「あーもぅ!」

ガラガラガラ

「お前さぁ」

実は俺、

嬉しいけど、本当の事言うと……マナが浮かれるから…やめとく。

「ごっめーんっ☆」

すぐわかった。

ぜってぇ、反省してねぇな。

だって、‘‘ごっめーんっ’’とか言っといて、ウインクつきだし、あとに、‘‘☆’’がついてるもん。

絶対ない。

あるわけない。

こいつが本気で…反省するなんて。

もしマナを本気で反省させる奴がいたら、逆に俺が教えて欲しいぐらい。

「ね!だからさっ!」

そう言われて、マナを見た瞬間に、耳元で囁かれた。

「‘‘ニセカノ’’ってやつだよ」

その声は……とてつもなく、怖かった。

そう

なにかを


企んでるように。