「ったくよお、騙されっぞ。」
「今回は、勇太が話しかけたんじゃねーか。」
「んなの、勇気づけるためだ」
「俺をか?」
「おう」
「………………。」
「…?…。」
「勇太ぁぁあああっ!」と、抱きつく隆。
「あつい。離れろ」
「いやマヂで…もう、好きだ」
「キモ。」
「うっ…。、いや、もう、なんとでも言え!おれは一途だぞ!」
「…キモすぎ、ウザすぎ。」
「ひでぇな、おい!」
「何とでも言えじゃねーのかよ、」
「あ、いや、え。うん。いや、でもよ!」
「ははっ!おまえおもろすぎな。」
「んだよ。」
2人、しばらく話して笑いあっていた時、
赤信号で車は止まり、
運転手は後ろを振り返って「勇太様、尾行されているかもしれません。」と言った。
その瞬間、ピンと張り詰めた空気。
「は?尾行?」
「はい…。ゲームセンターから後ろのタクシーにずっとついてこられてるようで。
全く車の通らない遠道を通りましたが、やはりついて来まして…」
青信号になったので前を向き直す運転手。
俺達は後ろの車を見た。
どこにでもいる普通のタクシー。
だけど、距離が5mを保たれていて乗ってる人物が見えない。


