「待って!」
赤いワンピが止める。
「なんだよ。」
睨みつけた。
こんなに睨みつけたのは、女では初めてだ。
だが、こんな怪しい、狂ってる奴らに暇してる場合じゃない。
睨みつけた後、またエレベーターへと前を向いて歩く。
「お願いっ、選んで!」
「あなたに尽くしますから…」
「ねぇっ…」
うっせぇな。
なんだよ…。
だが、歩みを止めなかった。
「助けて…っ!」
「キャアッッ!」
咄嗟に振り返ると、
小さな悲鳴とともに、2人の美少女は、部屋に隠れていた男に口を塞がれた。
んだよ、もう!
「っ、おい!なあ、勇太!」
隆は、動揺した。
マジかよ。
やっぱ怪しいと思った。
やっぱ、裏とかあるんだなぁ。
それに、悪徳なことも…、
ってそんな場合じゃない。
「おい、てめぇらなにしてんだよ。」
「あ?こっちのコト知られりゃあ口を塞がくに決まってんだろ。
君たちに別に害はねぇんだ。さっさと失せろ。」
「サツに言ってもいいってか?」
「警察に言ってもいいぜ。
ガキンチョ2人のことなんか信じるわけねぇだろ。
その前に逃げるしな、ギャハハハッ!」
その男たちは、狂ったように笑いだした。
顔はハッキリ見えている。
2人の男は、顔が似ている。
釣り目とたらこ唇、ボンちゃんの髪型。
双子か?
「…っ、ひ!うぐっ!」
2人の少女は涙流しながら、こちらに訴えている。
何言ってるか全くわかんねぇが。
「人身売買か?」
こんな時でも冷静にいられて、質問できる俺に自分自身驚いた。
案外、冷静にすればなんも怖くねぇのかも。
隣の隆はガタガタ震えてるが。
「人身売買っちゃそうじゃねえな。
ただのお遊びだよ。ヘッ。
一等 女。どっちかが逃亡でき、もうひとりは助からねぇ。
なんかそーゆーの楽しそうだったからよ。」
ニヤニヤと気持ちの悪い。
特に赤いワンピを捕らえている、男はヨダレが垂れている。
武器とか持ってなさそうだが…。
透視するか。


