もしも超能力が使えたら



「乗れってこと?」

「はい。」

「はあ?なぜに」

「こちらは、野次馬がたくさんいらっしゃるので…」

「あーね。」


俺は、隆が後ろにいることを確認して扉が開いたエレベーターに乗り込む。
店員の女は、後に乗り込んだ。



「お姉さん、可愛いね!彼氏いるの?」


隆は、ナンパが本能と言わんばかりに店員に口説き始めた。

「えっ…あの、」

困りながらも、赤面する店員。
確かに可愛いのかもしれない。

スゥ、と店員の制服が透けだした。
赤色の勝負下着を着込んでいた。

その瞬間、俺は萎えた。
コイツ…結構ヤリこんでるんじゃないか、っておもった。
または彼氏持ち。


「なあ、隆。やめとけ。」

隆をとめると、「……えぇー。」と言った隆に頭を軽く叩いた。


「馬鹿。また騙されっぞ!」

店員には悪いが、俺はどうしてもこの店員に偏見があってな。
お前は信じられねぇ、と言ってるかのように俺は言う。

「…すまん。」

隆は俯くと、エレベーターは止まり、扉が開いた。


「……どうぞ。」


降りる時、店員の顔を覗くと「邪魔すんな。」と言ってるかのような表情で睨んできた。

はー、怖い怖い。w

店員は、その後エレベーターに乗り、


「それでは…。」

と、一礼して俺たちを見た。


ニヤリ、とニヤついたようなスマイルだった。

なんだよ、アイツ。


エレベーター前の部屋に、「一等」と刻まれた木の小さな看板がドアに貼り付けてある。


とりま入るか。



ガチャ──。




「ご当選されました方ですか?」



そこには、2人の美少女。
1人は、ふんわりした雰囲気のある白いワンピの子。
もう1人は、美人型の綺麗な女性で赤いワンピ。


「「どちらがいいですか。」」



2人揃えて言った。



は…?
なにが?



「うっわっ!超綺麗な女性!」


隆はまじまじとガン見。


「あの、ご当選されました方は?」

赤ワンピが聞く。

「俺だ。」

「あら、イケメン。」

「…どうも。で?なに。」

「どちらかをお選びください。」

「選んだらなんになる?」

「あなたのモノ。」



赤いワンピは、ハキハキと答えるが。
常識はずれで、頭がついていけない。


「つまり、付き合うってこと?」


隆は、ワクワクして聞く。


「はい。」

「いや、いい。」

俺は、キッパリ言うと


「あなたのモノになるんですよ!?
一緒に住むことも、結婚も、奴隷にも…」


白いワンピの子は、必死に物事を言う。


大丈夫なんだろうか?
頭おかしくね?



「いや、いいって。じゃ、帰る。」


くる、と振り返りエレベーターを目指して歩く。

「っ、おい!勇太!もったいねぇな!」

「早くかえんぞ! 」

「…っおう。」



俺たちが部屋から出ようとすると、