もしも超能力が使えたら




はあ、とため息をつく。


「んじゃあ、待つ。」

「了解しました。写真を撮られていますが…どうされますか?」

「なに、追い払ってくれんの?」

「はい。」

「じゃ、よろしく。」

「承知いたしました。」と、運転手は無表情のままで車から出て行った。

窓から覗いてみると、運転手は無表情でなにかを訴えていた。

防音対策で何を言ってるかわかんないが、若者はゾロゾロと後ずさり。
そして、一斉にスマホにタップした。


なにしてんだ?


運転手は、一礼してまた車に戻ってきた。



「何をしたんだ?」

つい、気になり聞いてみる。


「少々手荒に脅しました。」


運転手は、ニヤリと笑ってるような気がしたがやはり無表情でそう言う。


少々手荒に…脅した?
なにしたのか聞いちまったらいけねぇ気がした。

「んで、なにさせたんだ?」

「画像消去と、次にリムジンを撮る者が現れた時の退治を1時間、と頼みました。」


写真消去なら、わかるがまさかそこまで頼むなんて。
チラ、と窓から外を覗くと先ほどの若者が見張りしてるようにリムジンの周りに立っていた。