どうした、何が起きた?
思わず、潤を押し退けて再び身を乗り出せば、肩で息をする蜂谷と、その手には――――来客用のスリッパ。
昨日の、どこかふんわりとした雰囲気を無くし、全身から怒りのオーラを醸しだした蜂谷は真っ直ぐに先頭に立つ女を睨み付けていて。
そんな蜂谷の雰囲気に、多勢に無勢の女たちは気圧され、完全に言葉を失っているようだった。
「何してくれてるのって、こっちのセリフだからねっ!それより何より、今すぐ謝ってっ!私のお父さんに謝ってよ……!こんなことがお父さんに知れたら、絶対悲しむに決まってるっ」
「大体ねぇっ、私にこんなことして、日下部くんの心が手に入るとでも思ってんの!?バカじゃない!?こんなことしたら、自分の価値をどんどん下げていくだけなのにっ。日下部くんだって、そんな女に靡くような安い男じゃないよ!!それに、イジメなんて、今どき全然流行らないからっ!!寧ろ、そんなことしてるなんて、超恥ずかしいからねっ」
「ダサいっ、ダサすぎるっ!!何もかもがダサくて、全然笑えないっ!!寧ろ、こんなことで笑えるあなた達の神経を疑うわっ!!」
まるでマシンガンの如く放たれた言葉たちに、思わず俺と潤まで言葉を失って、蜂谷の凛々しい背中を呆然と見つめてしまった。



