はちみつ色の太陽

 


「っ、おいっ、潤、どけっ」


「まー、待った待った。もうちょっと、様子見とけって」


「ハァ!?お前、何呑気なこと言って……」


「まぁまぁ、俺も興味あるわけよ。女に冷たくて有名で、超硬派な日下部 陽が?例え嘘でも、彼女にした女の子。それが、どんな女の子なのか、って」


「っ、お前、なんでそれ……っ」


「えぇー、それはもう、学校中に広まってる噂話とー。後半は、長年の付き合いによる勘?」


「っ、」


「あっ、お前、ちょっとホント邪魔だから。ムービー、ちゃんと撮っておかないと意味がな―――」



「意味がない」、と。

それは、潤がそんな言葉を紡いだとほぼ同時。



「この……、上履きはね……っ!!この学校に入学した時にっ、私のお父さんが働いて稼いだお金で買ってくれた、大切な上履きなんだからっ!!」



突然声を張り上げた蜂谷の力強い言葉が、静寂に揺れる廊下に響き渡った。