たった一人の蜂谷に凄むように立つ女たちは蜂谷に集中しているせいか、曲がり角のすぐそばにいる俺たちに気づく気配もない。
そんな女たちを前に、何かを察したらしい潤は、すぐさま携帯を手に取ると、そんな奴らのやり取りをムービーに収め始めた。
「おい、何やって――――」
「シーッ、いいから、ちょっと見てろって。なんか、面白いことが始まりそうじゃん?」
言いながら、ニヤニヤと笑みを浮かべる潤は悪趣味だ。
そんな潤の行動に溜め息を吐きつつも、今出て行ったら確実に巻き込まれるであろうことは必至で、俺もそのまま壁に保たれて奴らが過ぎ去るのをただ待った。
だけど、そんな風に呑気に構えていた自分は本当に何も現実をわかっていなくて。
昨日、蜂谷が必死に自分を守ってくれと訴えていた、本当の意味。
それを、まさかこんな形でまざまざと思い知らされることになるなんて――――
「よくもまぁ、抜け抜けと私たちを差し置いて、陽様に近付いてくれたわね!!」
本当に。そんなことにも気付かなかった俺は、ただの馬鹿だ。



