はちみつ色の太陽

 


これでもかってくらいにゆるゆるとした口調で話す刈谷くんが、教室に向けて踵を返そうとしたその時。


未だに茹でダコみたいに顔を赤くしているリーダーが、再び声を張り上げた。


それに刈谷くんは至極面倒くさそうに溜め息を吐いて振り返ると、何も言わない私達の代わりに「何?」と、やっぱり面倒くさそうにリーダーへと言葉を投げる。



「む、無視してんじゃないわよっ。暴力!暴力の件は、何と言われようと、絶対に学年主任に報告させてもらいますからねっ」



ああ、そうだ、忘れてた。


刈谷くんが、あまりにも爆笑し過ぎて場の空気を壊したものだから、そもそもの話をスッカリ忘れてたよ。


だけどもう、なんだかこの場にいることすら馬鹿馬鹿しく思えるほど、彼女との話はお話にならなくて。


もうこの際、学年主任に言うでも何でも好きにしてくださいと、私が口を開こうとした、その瞬間(とき)――――