冷たい廊下の上で、壊れたように笑い転げる刈谷くんを前に、その場にいる全員がしばらく言葉を失った。
――――刈谷 潤(かりや じゅん)。
ふわふわと、緩くパーマの掛かったキャラメル色の髪と、そんな髪色に比例するように、甘めの顔立ちをした刈谷くん。
背だって日下部くんには届かなくても175センチはゆうに越えているだろうし、スタイルだってモデル並み。
日下部くんとは対照的に、誰にでも分け隔てなく優しく人当たりが良い事でも有名で、一部の女の子たちからは絶大な支持を得ている。
それと同時、来る者拒まずで特定の彼女を作らない、日下部くんとは違う意味での女泣かせであることも有名だ。
そんな刈谷くんと、私は同じクラスという以外で特別な接点を持ったことはないのだけれど――――
「ヒィーっ、ヒィっ、ハァ……ッ。あー……苦しかった……っ、ってか、今年一(イチ)笑ったわ……」
今の刈谷くんを見たら、その一部のファンの皆さんも離れていく気がする。



